MENU

センターニュース No.16

インターネットは万能だと考える人々

理事長 五十嵐教行

少し前の話し。新潟でものすごく多く雪が降った時のことで、中村副理事長がラジオで聞いていて思わず???となってしまったという話だ。ラジオのレポーターが新潟のある村に行き、現地レポートをした。ものすごい雪の量で雪を捨てるところもなくなり地域住民が困っている。「除雪はどうですか?」と、除雪中のおばあさんに聞くと、「除雪車もいつ来るか、さっぱりわからないんだよ」と答える。次にレポーターは村役場に行き、そこで村の人たちのことを担当者に伝えたら、その担当者は「そうでしょうね。ところが今はもう整理しました。今、除雪車がどこを通っているか、タイムリーでわかるように情報を開示しました」と言う。「ああそうですか。その情報はどこにあるのですか?」「インターネットで私たちの村のホームページを開いてくだされば、除雪車が今どこの道を通っているか、全部載せてあります。だからそれを見てくれたらわかります」それを聞いたレポーターが「ああ、それは便利ですね」と言ったというので、中村副理事長が思わず???となったのだ。

ここの村では、みんなインターネットしているのだろうか。信じられないが。

それでも万が一、みんながインターネットをしているとしよう。でもその人たちに、今うちの村のホームページでタイムリーに載せましたというその情報をどうやって教えるのだろうか。まさかその情報を、「ホームページに今載せた」ということをホームページに載せるのだろうか。まるでホームページの2段活用のようで、まったくのブラックユーモアだ。そういう肝心なことをスッポリと抜かして「あるんですよ」としか言わない担当者にそれを指摘できないどころか「それは便利ですね~」などと言ってしまうレポーター。どちらも村人のことを真剣に考えていないのだなぁ。本当に村人に情報を届けるための工夫を一切せずに、自分たちにとって楽な方法での提供方法しか考えていない行政とマスコミにどこか牧歌的というかのんきであるというか、怒りを通り越した空虚感すら感じてしまう。

私たちは、どこか大事なことを抜かしてしまいがちな生き物なんだということを、あらためて認識しておきたいと思う。

このページのトップへ